現場の声を、すぐにカタチへ。 嶺井第一病院と考える、VRリハビリのこれから

私たちリアルコネクトは現在、沖縄県の「ICTビジネス高度化支援事業」の取り組みとして、VRリハビリテーションのさらなる高度化と、医学的なエビデンスの検証に挑戦しています。
昨年度の取り組みでは、VRを活用したリハビリテーションアプリを開発しました。
そして今年度は、さらに一歩踏み込みます。
「VRリハビリを行うことで、実際に脳ではどのような変化が起きているのか?」
その問いに向き合うため、EEG(脳波)を用いて、介入前・介入中・介入後の脳活動を計測する実証を進めています。
その実証パートナーとしてご協力いただくのが、沖縄県内でも先進的なリハビリテーションに取り組む医療法人 大平会 嶺井第一病院の皆さまです。
今回は、実証に向けた担当者の顔合わせと、弊社VRリハビリの体験・意見交換を行いました。
「実際の患者さんならどう使う?」から始まる議論

まずは担当者同士で顔合わせを行い、今回の取り組みについて意見交換。
嶺井第一病院の皆さまからは、VRリハビリそのものへのご意見だけでなく、普段のリハビリテーションで実際に行っている訓練や、患者さんと接する中で感じている課題についても、たくさんのお話を伺うことができました。
例えば、実際のリハビリでは、
腕を伸ばす「リーチング」
肘や肩など複数の関節・筋肉を使った複合的な動作
わっかに手を通すような動作
かがむ、物を扱うといった日常生活に近い動作
など、さまざまな訓練が行われています。
こうした動きをVR空間の中で再現できれば、「ただ身体を動かす」のではなく、楽しみながら、より実生活に近い動作を練習できるのではないか。
そんなアイデアについて、具体的な議論が広がりました。
「楽しい」と「リハビリ」をどう両立するか
今回、特に印象的だったのが、リハビリを“楽しく続けられるもの”にするという視点です。
弊社では、ゲーム感覚で身体を動かせる「リズムリハビリ」や、VR空間内のパズルを組み立てるコンテンツを開発しています。そこに対して、
「両手を使う動作をもっと取り入れられないか」
「VR空間にさまざまなオブジェクトを配置して、自然なリーチングにつなげられないか」
「園芸のように、かがむ動作を取り入れてみては?」
など、現場ならではのアイデアをいただきました。
また、「こびとさがし」のように、ゲームとして楽しみながら自然に身体を動かすコンテンツについても意見交換。
「リハビリだから頑張る」のではなく、「楽しいから、もう少しやってみたい」と思える体験をつくる。そんなVRリハビリの可能性を、改めて感じる機会になりました。
気づき・即・改善
今回の意見交換で、私たちが特に嬉しかった出来事があります。
それは、実際にいただいたご意見を、その場で開発内容に落とし込むことができたことです。
「リズムリハビリ」について、
曲の速さや長さを患者さんに合わせて調整したい
流れてくるノーツブロックの幅を変更できるようにしたい
VR空間内のノーツブロックをさまざまな場所に配置したい
両手だけでなく、片手でもできるようにしたい
拍手のような両手動作を取り入れてはどうか
といった具体的なご意見をいただきました。
中でも、「片手でもできるようにしてほしい」というご意見は、私たちにとって大きな気づきでした。
例えば、片麻痺などによって両手を使った操作が難しい患者さんの場合、両手操作を前提としたコンテンツでは楽しめる人が限られてしまいます。
そこで、いただいたご意見をもとに、片手でもプレイできるよう機能を改善。さらに、流れてくるノーツの幅も調整できるようにしました!

現場でいただいた声を、持ち帰って「いつか対応する」のではなく、できることからすぐに改善する。
これは、私たちがプロダクト開発において大切にしている姿勢の一つです。
実際に患者さんと向き合っている専門家の声が、リアルコネクトのプロダクトを直接進化させています。
VRリハビリの先進事例も体験

当日は、県内で唯一、嶺井第一病院で導入されているVRリハビリ製品「mediVRカグラ」も体験させていただきました。
実際にVRを活用したリハビリを体験し、トレーニング前後で身体の状態がどのように変化するのかを体感。
VRリハビリの先行事例に触れることで、私たち自身にとっても多くの学びがありました。
同じVRという技術を使っていても、アプローチにはさまざまな可能性があります。
今回の体験を通じて、「私たちはどんなVRリハビリをつくるべきなのか」を考える良い機会にもなりました。
リハビリの「今」を、もっと前向きに見えるように

もう一つ印象に残ったのが、リハビリの成果を定量的に確認できる仕組みについてです。
リハビリを続ける中で、
「自分はどれくらいできるようになったのか?」
を実感できることは、継続するモチベーションにもつながります。
そこで、リハビリ後に現在の状態や取り組みの成果を分かりやすく可視化し、
「できなかったこと」ではなく、「ここまでできるようになった」ことを確認できる仕組みについても学ばさせて頂きました。
データを活用し、患者さん自身が自分の変化を前向きに感じられる。
そんな仕組みも、今後目指していきたい領域です。
沖縄のリハビリを、沖縄からもっと良くする
今回の顔合わせで、技術的な議論以上に嬉しかったことがあります。
それは、嶺井第一病院の皆さまと、
「リハビリを通じて沖縄をもっと良くしていきたい」
という想いを共有できたことです。
私たちはIT企業として、VRやAIなどの技術を用いて人々の豊かさを補助します。
一方で、医療現場には、患者さんと日々向き合っている専門家の経験と知識があります。
その二つが交わることで、初めて見えてくるものがあります。
今回のように、現場の声を聞き、議論し、そして実際にプロダクトを変えていく。
「技術をつくる側」と「実際に使う側」が一緒になって、患者さんにとって本当に価値のあるものをつくる。
私たちは、そんな開発を目指しています。
そして、沖縄で生まれたこの取り組みを、沖縄の医療・福祉の現場とともに育て、将来的には全国のリハビリテーションを必要とする方々にも届けていきたいと考えています。
ここから、エビデンスの検証へ

昨年度は、VRリハビリという「新しい体験」をつくりました。
今年度は、その先へ。
EEG(脳波)を用いて、VRリハビリの介入前・介入中・介入後にどのような変化が起こるのかを検証していきます。
そして今回いただいた現場の声を、これからのプロダクト開発にも生かしていきます。
現場の声を聞く。
すぐに試す。
改善する。
そして、データで確かめる。
このサイクルを繰り返しながら、VRリハビリを「面白い技術」で終わらせず、患者さんの生活をより良くするための技術へと育てていきます。
嶺井第一病院の皆さま、貴重なご意見と体験の機会をありがとうございました。
これから始まる実証と、そこから生まれる新しいVRリハビリに、ぜひご期待ください。




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